黒薙線 1 号トンネル

黒部峡谷鉄道株式会社 カテゴリー 第 8 位 / 62 PV

黒薙線
閲覧数: 62  投稿日: 2024 4 19 日  更新日: 2024 4 22

黒薙線 1 号トンネル とは?

「黒薙駅」構内より分岐してすぐの場所にある「黒薙線」のトンネル

基本情報

説明文

「黒薙線 1 号トンネル」は、「黒薙駅」構内より分岐してすぐの場所にある「黒薙線」のトンネルです。
黒薙駅」の山側にあり、以前は、電車が来ない時間帯などには、線路の上を歩いて「黒薙温泉」まで歩いて行くことができました。
現在は、保安上の理由により一般旅客の立入りが禁止されています。

所在地

富山県黒部市

長さ

615 m

「黒薙線」について

「黒薙線」は、「黒薙駅」と「二見駅」を結ぶ旅客輸送を行わない貨物専用の非電化路線です。
「黒薙第二発電所」建設のために作られ、その後も発電所の資材運搬用などに使用されてきました。

経路

「黒薙線」は「黒薙駅」構内にて「黒部峡谷鉄道本線」と分岐しています。

路線長

路線長は、「黒薙駅」から「二見駅」までの 1.7 km。

トンネルの大きさ

「黒薙線」のトンネルは、「黒部峡谷鉄道本線」のトンネルよりも、大きさが小さいです。
そのため、「黒薙線」を運行する貨車の運搬可能範囲も、「黒部峡谷鉄道本線」より小さくなっています。

貨車の運搬可能最大高さ

2650

年表

1923 年(大正 12 年)

黒薙線の軌道敷設に着手しました

1926 年(大正 15 年)

黒薙線(黒薙 から 二見 まで 1.7 km)が開通しました。

「黒薙線」と「黒部峡谷鉄道本線」の違い

項目 黒薙線 黒部峡谷鉄道本線
軌間 762 mm 762 mm
電化有無 非電化 電化(直流 600 V)

「黒薙線」は何に利用されているの?

「黒薙線」は、現在は「黒薙川」砂防工事のために設置する機材搬送などにも利用されています。

黒薙川は、黒部川流域の中でも、土砂搬出の最も多い河川です。
下流域への土砂災害防止を目的として、直轄砂防工事が 1969 年(昭和 44 年)より施工されています。
本工事は現在も継続して行われており、例えば、黒薙川砂防堰堤事業の円滑化を目的として、黒薙川第 3 号~第 4 号砂防堰堤間に設置予定の骨材生産設備及びコンクリート生産設備の据付及び濁水処理設備の製作・据付に加え、骨材生産設備とコンクリート生産設備への給排水設備の製作・据付なども行われています。

本工事で設置する機材については、現場までの輸送手段である黒部峡谷鉄道に積載可能な大きさで製作した物を、工場より貨車の積込ヤードである宇奈月駅までトラックによる輸送を行い、貨車に積替えた後、黒部峡谷鉄道にて二見駅(黒薙線終点)まで輸送しています。

黒部峡谷鉄道による貨車輸送

宇奈月駅 から 二見駅 まで

約 9.2 km
所要時間約 1 時間弱

黒部峡谷を走るトロッコ電車の鉄道分類

黒部峡谷を走るトロッコ電車の鉄道は、大きく2 つに分かれています。
・黒部峡谷鉄道
・関西電力専用鉄道

比較一覧表

鉄道名 黒部峡谷鉄道関西電力専用鉄道
運行 黒部峡谷鉄道株式会社関西電力から事業を受託している黒部峡谷鉄道株式会社が運行しています

黒部峡谷を走るトロッコ電車の路線ごとの分類

黒部峡谷を走るトロッコ電車の路線は、大きく4 つに分かれています。
A.上部専用軌道 / 関西電力専用鉄道
B.黒部峡谷鉄道本線 / 黒部峡谷鉄道
C.黒薙線 / 関西電力専用鉄道
D.引込線 / 関西電力専用鉄道

比較一覧表

分類 対象路線駅間距離一般旅客の乗車線路上の歩行全線開通年月日
A 上部専用軌道 欅平上部 ~ 仙人谷 → 黒部川第四発電所 5.6 km開放予定だったが、延期中 1939 年(昭和 14 年)
B 黒部峡谷鉄道本線 宇奈月駅 ~ 欅平駅 20.1 km1937 年(昭和 12 年)
C 黒薙線 黒薙駅 ~ 二見駅1.7 km以前は可能だったが、現在は☓ 1926 年(大正 15 年)
D 引込線 猫又駅 ~ 新黒部川第二発電所 不明 不明

※「上部専用軌道」とは、「日本電力株式会社」が黒部川第三発電所の取水予定地(仙人谷ダム)への資材輸送を行うために建設した欅平から仙人谷までの軌道隧道のことです。
※「上部専用軌道」までの範囲を「仙人谷」までとするか「黒部川第四発電所」までとするかにより、距離などの各数値は変わってきます。「黒部川第四発電所」までの距離は 6.5 km。
※「上部専用軌道」を含む「黒部宇奈月キャニオンルート」については、2024 年(令和 6 年)能登半島地震による落石で黒部峡谷鉄道の鐘釣橋が損傷し、黒部峡谷鉄道の全線開通が遅れることとなったため、2024 年(令和 6 年) 6 月 30 日に予定していた開始を延期し、2024 年(令和 6 年) 10 月 1 日ごろ開始することになっています。

砂防事業「黒薙川砂防えん堤」について

下記 5 つの黒薙川砂防えん堤があります。
・黒薙川第1号砂防えん堤
・黒薙川第1号上流砂防えん堤
・黒薙川第2号砂防えん堤
・黒薙川第3号砂防えん堤
・黒薙川第4号砂防えん堤

比較一覧表

えん堤名 形状寸法(高さ) 形状寸法(長さ) 立積 計画貯砂量 流域面積 着工年月 竣工年月
黒薙川第1号砂防えん堤 13.0 m 53.5 m 4,171 m3 73,700 m3 117.6k m2 昭和 44.08 昭和 48.11
黒薙川第1号上流砂防えん堤 12.0 m 74.0 m 5,520 m3 50,500 m3 112.0k m2 昭和 55.06 昭和 59.11
黒薙川第2号砂防えん堤 18.0 m 74.5 m 10,759 m3 271,800 m3 108.9k m2 昭和 45.07 昭和 54.11
黒薙川第3号砂防えん堤 12.0 m 56.0 m 5,050 m3 138,700 m3 101.1k m2 昭和 55.09 平成 02.11
黒薙川第4号砂防えん堤 10.0 m 113.0 m 6,394 m3 103,500 m3 100.5k m2 平成 03.07 平成 15.11

黒部川とは?

黒部川は、その源を富山県と長野県の県境の鷲羽岳(2,924 m)に発し、3,000m 級の山々が連なる立山連峰と後立山連峰の間に峡谷を刻み北流し、黒薙川等の支川を合わせ黒部市愛本に至り、その後は扇状地を流下し、黒部市・入善町において日本海に注ぐ、幹川流路延長 85 km、流域面積 682 平方キロメートルの一級河川です。
流域は、黒部市をはじめとする 2 市 3 町からなり、流域の土地利用は、山地等が約 99 %、水田や畑地、宅地等が約 1 %となっています。
一方、流域の 4 割が中部山岳国立公園等の自然公園に指定され、黒部峡谷等の景勝地がみられる等、豊かな自然環境に恵まれているとともに、黒部川第四発電所をはじめとする発電、扇状地の豊富な地下水利用の他、様々な水利用が行われています。

黒部峡谷鉄道について

黒部峡谷鉄道は、北アルプス北部の立山連峰と後立山連峰の間を隔てる黒部川の峡谷に沿って、宇奈月~欅平(けやきだいら)間 20.1 km、標高差約 375 mを 1 時間 20 分かけて走る山岳鉄道です。
自動列車停止装置(ATS)や列車無線装置を完備し一般の地方鉄道として運行されていますが、元々は黒部川の電源開発のために引かれた工事専用鉄道なので、日本国内では数少ない軌間 762 mm、新幹線の約半分というミニサイズの特殊狭軌を使用しています。
※宇奈月までの線路は 1,067 mmの軌間で敷設されていますが、宇奈月から上流は、地形の制約から必要最小限の設備で作られることになり、軌間は軽便サイズの 762 mmが採用されました。

冬季は積雪で列車の運行ができないため、全線にわたって、冬季の歩道トンネルが軌道脇に敷設されています。
軌道右側にあるコンクリートの内側は、歩道トンネルになっています。

駅数

10

片道所要時間

約 1 時間 20 分

橋梁

21 か所

トンネル

41 か所

年表

1923 年(大正 12 年) 9 月

黒部峡谷で初めての本格的な発電所となる「柳河原(やながわら)発電所」を建設するために、宇奈月・猫又(ねこまた)間で「黒部専用鉄道」の敷設(ふせつ)工事が開始されました。
平野のない黒部峡谷沿いに建設しなければならなかったので、普通の線路よりもレールの幅が狭く作られ(762 m)、列車も小さい車輌が使用されることになりました。
また当時は、舗装(ほそう)された道路やトラックといったものはなく、発電所を建設するためのいろんな資材は鉄道によって運ばれていました。
 

1925 年(大正 14 年) 6 月

宇奈月と佛石(ほとけいし)の間で電車の運転が開始されました。
これが「トロッコ電車」のはじまりです。

1926 年(大正 15 年) 10 月

宇奈月・猫又間が開通しました。
※この頃の名称は「黒部専用鉄道」でした。

1953 年(昭和 28 年) 11 月 5 日

関西電力株式会社が地方鉄道業法の許可を得て、「黒部鉄道」として営業運転を開始しました。

1971 年(昭和 46 年) 5 月

お客様の増加に伴って、「黒部鉄道」の営業内容も電源開発の資材、人員輸送主体から旅客輸送へと移行していくことを踏まえ、より一層のサービス体制の充実、運転保安体制の確立を目的に、関西電力の子会社として設立された鉄道専業の会社としての「黒部峡谷鉄道株式会社」が地方鉄道事業の譲渡許可を受けました。

1971 年(昭和 46 年) 7 月 1 日

「黒部峡谷鉄道株式会社」は、営業運転を開始しました。

似た用語の整理

ここでは詳細について触れませんが、「黒薙線」と「黒部支線」は異なります。
また「黒部鉄道」には 3 つの意味があり、「黒部峡谷鉄道」とも異なります。
※「黒部支線」は、1969 年(昭和 44 年) 8 月 17 日に廃止された「富山地方鉄道」の路線です。
※「黒部鉄道」は、1943 年(昭和 18 年) 1 月 1 日、「陸上交通事業調整法」に基づき「富山地方鉄道」が発足するに辺り統合された、富山県内のすべての私営・公営の鉄軌道やバス会社の内の一つです。
※あるいは「黒部鉄道」は、上記「黒部鉄道株式会社」が運行していた鉄道の名称です。
※もしくは「黒部鉄道」は、1953 年(昭和 28 年) 11 月 5 日、関西電力株式会社が地方鉄道業法の許可を得て営業運転を開始した鉄道の名称です。

表記の揺れについて

「黒薙支線」ではなく「黒薙線」

このWebサービスでは、「黒薙支線」ではなく「黒薙線」と表記しています。

「黒薙温泉」について

「黒薙川」との位置関係

「黒薙川」を上流から下流に向かって眺めたとき、「黒薙温泉」は右岸(右側の位置)にあります。

最寄り駅から「黒薙温泉」までの所要時間

最寄り駅である「黒薙駅」から「黒薙温泉」までの所要時間は、山越え経由で約 20 分、黒薙線のトンネルを利用して約 10 分かかります。
※現在は保安上の理由により、黒薙線トンネルへの一般旅客の立入りは禁止されています。

年表 

1645 年(正保 2 年)

「黒薙温泉」が、現在の黒部市音沢村の太郎左衛門により発見されました。

1848 年(嘉永元年)

富山藩主の命により、下流にある音沢への引湯が計画されましたが、成功しませんでした。

1904 年

林道が開通し、夏季の湯治客で賑いました。

1907 年頃

音沢村の佐々木孝次 郎が経営していました。

1912 年頃(明治末期)

黒部峡谷とその支谷には、上流部より祖母谷・鐘釣・黒薙の三つ の温泉がありました。
いずれも当時は路幅 1 間程 度の山道が通じ、 数軒の旅館があって、初夏より晩秋まで営業していました。
※「黒薙温泉」までは、愛本より峡谷を上る里道が唯一の交通路でした。

1922 年 9 月 30 日

「黒部温泉株式会社が、黒薙・二見・ 愛本各温泉をが、当時名儀上の所有者だった塩原又策(黒薙、二見)、山田胖(愛本)の両発起人より譲受け、発足しました。

感想

2006 年 8 月 1 日時点

トロッコ電車について

「人に誘われ連れて行かれた」&「あまり興味がなかった」

「自分が鉄道好き」ということを今は自覚していますが、当時はそんな認識など全くありませんでした。
「トロッコ電車? よく分からないけれども、子どもの乗り物でしょう」ぐらいに感じていました。
そんな状態だったので、実際に客車に乗車した時、山のトンネルをひたすら突き進んでいく光景に度肝を抜かれました。
「ガチやんけ」
一般旅客運行しているので安全面では全く問題ないレベルだと思いますが、スリリングさは他の鉄道の比ではありません。
私は思わず以前乗車した韓国の鉄道を思い出しました。
その普通電車は、最後尾車両が荷物が積まれていない荷物専用車両みたいになっていて、走行中のドアが開けっ放しになっていました。
「日本ではこんなのあり得ないわ」と思いましたが、最高にスリリングな気分になりました。
そのことを思い出しました。
※「トロッコ電車のドアが開けっ放しになっていた」という話ではありません。

性善説にもほどがある

営業時間中に線路の上を歩ける路線があるだろうか?

営業時間中に線路の上を歩ける路線が、日本のどこかにあるだろうか?
いや、ここ以外のどこにもありはしない。
そもそも営業時間外でも、線路内への立ち入りは法律で禁止されています。

「黒薙線 1 号トンネル」に初めて入ったときに思ったことは大きく 3 つ。
「え? こんな所、本当に入っていいの?」
「え? この線路って何なの? まさか使われていないよね……」
「え? これって、電車とか来ないの? もし来たらどうなるの?」
このトンネルについて、ネット上には「駅員に許可を得れば、黒薙温泉への近道として一般旅客でも線路上を歩いていくことができた」という説明が散見されますが、そんなことはないと思います。私の記憶違いでなければ……。
例えば「黒薙温泉」からの帰り道にこの「黒薙線 1 号トンネル」を使用しようとするとすぐに気がつくはずです。そんなことなどできはしない、ということに。
なぜなら、「黒薙線 1 号トンネル」の入口近くには「黒薙駅」があるけれども、「黒薙温泉」近くの「黒薙線 1 号トンネル」出口には、許可を得るための駅員などいないからです。

「黒薙線 1 号トンネル」を歩いているときに電車が来たらどうなるの?
可能性は大きく 2 つあります。
一つ目は「黒薙線」に工事用トロッコ車両が走行してくるケース。
二つ目は「黒部峡谷鉄道本線」を一般旅客用トロッコ電車が走行してくるケース。
私は、幸運にも(?)二つ目のケースに遭遇しました。
「黒崎温泉」からの帰り道に「黒薙線 1 号トンネル」を通って「黒薙駅」まで戻ろうとしたのですが、「黒薙線 1 号トンネル」入口を出ようとした時、ちょうど「黒薙駅」に「黒部峡谷鉄道本線」を走行中の一般旅客用トロッコ電車が到着する所でした。
危ないので、そのトロッコ電車が「黒薙駅」を出発して「欅平駅」方面へ向かうまで、その場で待機していたのですが、かなりなレアな体験だった気もします。
一般旅客用トロッコ電車の乗客からしたら、「黒薙駅」から見える手彫りの洞穴の入口(しかも線路の上)に、工事関係者でもないリラックス姿の一般人が立っていたので、もしかしたら驚いたかもしれません。
その時に撮影した画像については、こちらをご覧ください。

地図

鉄道定点写真で振り返る。「黒薙線 1 号トンネル」 の変遷

2006

2006年8月、「黒薙温泉」からの帰り道に「黒薙線 1 号トンネル」を通った際、トンネル内を撮影しました
2006年8月1日15時17分。「黒薙温泉」からの帰り道に「黒薙線 1 号トンネル」を通った際、トンネル内を撮影しました。このトンネル内で線路は 2 方向に分岐しており、向かって左側の線路上には柵が据え付けられていました。立入禁止の掲示もしてあり、それ以上先へ進めなくなっていました。ものすごく興味を惹かれたのですが、何も分かりません。もしご存じの方がいれば、このページ下部にあるコメント欄より教えてください。この左側の線路はどこへ続いていて、この先には何があるんだァー。
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